人事労務のお仕事年間スケジュール

人事労務の仕事について

人事労務担当者の仕事は、採用だけでなく、人材育成や評価、賃金やポジションの処遇など多岐にわたります。
また、仕事によっては年次などの長い時間軸で動くものがあります。

こちらのページでは、年次で動くおもな仕事や実務上のポイント等についてご紹介します。
会社様のご事情により変わってきますが、目安としてご参考になさってください。

※以下は、年度初めが4月、昇給4月、賞与が6月または7月と12月としています。

新卒採用について

新卒採用の年間スケジュール

新卒採用は、学生が学業に専念できるようにと解禁日が行政等により取り決められています。

高卒についてはハローワークや学校により厳格に運用されていますが、大卒については会社説明会や採用選考に解禁日があるものの、通年採用などさまざまなやり方で人材獲得に向けた取り組みがなされています。

■競合他社の動きも意識する

新卒採用は「新卒」という母集団に対して、似たような時期に採用活動をするのが特徴です。
自社で会社説明会を開催する時に、競合他社と同じ日程になることがあり、これは自社にとっても、学生さんにとっても良いことではありません。

採用支援会社さんなどからの情報で競合他社の会社説明会とブッキングすることが分かったら、日程や時間帯を変更するのも母集団形成に有効となります。

■内定フォローで内定辞退を予防する

新卒採用は内定を出した後も、翌年4月の入社まで時間が空くのも特徴です。

特に6/1の採用選考解禁日以降は、経団連加盟企業の大手会社が内々定を出していくので内定辞退リスクが高まります。
内々定者には先輩社員との懇談会で会社の理解を深めつつ動機づけるなど適宜フォローしていきます。
先輩社員に定期的にコミュニケーションをとってもらうやり方もありますが、同性の先輩にお願いするのがセクハラ等のリスクを避けるコツになります。

また、入社前にインターンをする会社様もありますが、名称に関わらず業務を行ってもらうのであれば労働分の賃金を支払うことになります。

■入社準備でやること

年が明けたら本格的な入社の準備段階になります。

  • 入社式や新入社員教育の手配、案内
  • 雇入れ時健康診断の受診依頼
  • 卒業証明書の提出
  • 入寮などの手続き

など、早めに対応しておきます。

特に、「雇入れ時健康診断」は労働安全衛生法によって定められた健康診断で、配置や就業上の配慮を確認するために必要な健康診断です。(この検査結果で採否を決めることはできません。)
検査結果に時間を要する場合もありますので、2月中には依頼できるといいです。

卒業に関しては、まれに単位が足りず卒業できない学生さんもいます。
その場合は、配属先部門と連携しながら、入社日を調整していきます。

人材育成について

人材育成の年間スケジュール

※ここでは、Off-JT(Off the Job Trainig。座学やオンラインの研修等)に限定して記載します。

人材育成は、採用と違い、どの時期に何をしても良いのですが、業務の繁忙期等を避けて、受講者や職場の負担軽減も配慮していきます。

よくある研修は、新入社員や役職別、入社〇年目など階層別に対象者を分けた「階層別研修」で、新入社員や昇格者向けの内容は4~5月(入社や昇格直後から1、2か月の間)に実施することが多いです。

その他、業務のスキルアップを目的とした「実務研修」、コンプライアンスのリテラシーを高めたり、再発防止のための「コンプライアンス研修」等もありますが、これらは各社の課題に応じて、年度計画に基づいて実施します。
(不祥事等の再発防止研修は、臨時で実施することがあります。)

■予算編成の時期を意識する

教育費は研修そのものにかかるお金の他、リアルで開催する場合は会場利用料や受講者の交通費・宿泊費などもかかります。(会社によっては参加者と事務局の工数もみています)
それらを積み上げていくと大きな金額になりますので、教育担当者は予算編成の時期にはある程度、どの時期に何をやるか、それにはいくらかかるのか計画案を作っておく必要があります。

■研修の実施は長期戦

ある研修を実施する時、企画から事後アンケートの分析まで数か月にわたります。

研修に参加するにあたり業務スケジュールの調整が必要となる場合もありますので、開催通知や社内講師を依頼する場合は3か月前までには出しておくと良いです。
「早いかな」と思っても、時期をみてリマインドメールを送れば良いので、ギリギリになるよりは早めに出すのを心掛けましょう。

一方、事後アンケートや受講者へのフィードバックについては、日数を開けない方がいいです。
人の脳は一度学習したことを1日後には74%忘れると言われています。(エビングハウスの忘却曲線)
せっかく実施した研修ですから、日数を開けずに思い出してもらう工夫が必要です。

評価、昇給賞与について

※ここでは、目標設定を半期ごと、自己申告を年1回実施している流れでご紹介します。

■他の制度との整合を図る

評価(人事制度の運用)は、その結果が人材育成やローテーション、昇進や昇給・賞与など他の業務と関わっていくものです。
そのため、運用のスケジュールを立てる時は、特に給与や賞与の支給に間に合うように意識する必要がありますし、他の制度が変更していたら評価の運用も見直す必要があります。

■目標設定と期中の面談は大事

例えば、「週平均で〇件のアポイントをとる」という目標と「お客様に感じよく接する」という目標があった時、期末の評価はどちらがやりやすいでしょうか。
従業員アンケート調査をすると「評価への不満」が課題の上位に入ることが多いですが、目標設定を具体的にして上司・部下で認識ズレを少なくすることで改善することができます。
また、評価のフィードバックも期末だけで終わらせず、本人も挽回できるよう期中にフォローアップ面談をすることで納得性を高めていくことができます。

■人事制度は自社に適したものを選ぶ

人事制度のうち等級の決め方には、本人の能力・経験に着目した「職能」、仕事の難易度や責任に着目した「職務」等があります。
人事制度には2000年代の「役割制度」や2020年の「ジョブ型」など流行があります。
流行に合わせるのが必ずしも正解ではなく、自社の業態や規模に適した制度を構築して運用していくことが大事です。

社会保険労務士は、ハローワークへの求人票提出代行が法的に認められています。
また、人事労務の専門家として人事制度を構築するだけでなく、賃金設計など実務面まで幅広くカバーすることができます。

人事労務関係でお悩みの経営者様、人事ご担当者様は、どうぞ社会保険労務士へご相談ください

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