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従業員を一人でも雇用していると、社会保険の届出や保険料の納付等の手続きが発生します。
内容によって書類を提出するタイミングが違いますので、しっかり押さえていきましょう。
※ここでは社会保険を広義の社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)として記載しています。
従業員を雇用したとき、退職したとき、または転勤したときや従業員が引っ越した時や家族が増えたとき。
それぞれのタイミングで社会保険の手続きが発生します。
■社会保険加入・脱退に関する用語について
社会保険の手続きにあたり、独特の言い回しが出てきます。
それぞれの書類の名称でも使われていますので、今のうちに慣れておきましょう。
■健康保険や厚生年金保険の届出に関わるもの
健康保険や厚生年金保険に関わる届出は原則として5日以内までとなります。
提出先は、加入している健康保険が「協会けんぽ(全国健康保険協会)」か「健康保険組合」かによって変わります。
※健康保険組合に加入している企業は、届出様式が独自のものがあります。
例えば、協会けんぽの様式を使って健康保険組合に書類を出した場合、書類不備で差し戻される場合があるので要注意です。
■雇用保険の届出に関わるもの
雇用保険に関わる届出は、資格取得は翌月10日まで、資格喪失は10日以内となります。
提出先は会社の住所を管轄するハローワーク(所轄公共職業安定所)になります。
■保険料の納付に関わるもの
「健康保険と厚生年金保険」、「雇用保険と労災保険」で納付のやり方が変わるので要注意です。
労災保険は全額会社負担ですが、健康保険、厚生年金保険、雇用保険は従業員からも保険料を徴収します。
仕分けとしては、会社負担分を「未払い費用」、従業員負担分を「預り金」となります。
員を雇用する時はすべてフルタイムの人とは限りません。
パート・アルバイトとして雇用する時は、契約条件によって対象となります。
(逆に、労働条件を見直して労働時間が短くなると脱退となります。)
未加入状態を起こさないように、加入要件を確認しておきましょう。
特に、健康保険・厚生年金保険は対象者が拡大する方向で動いていますので、注意が必要です。
これらの加入要件は雇用契約書や労働条件明示書をもとに判断されますので、書面で客観的事実が分かるようにしましょう。
ただし、書面上は社会保険未加入という労働条件でも、年金事務所等の外部監査で実態を見て加入の判断を受ける場合があります。
契約どおりの働き方にする、または実態に合った雇用契約にするなど、コンプラ面の対応が必要になります。
万一、提出期限までに届出られなかった場合には、事後提出でも受け付けてもらえます。
しかし、様々な影響が出てきますので、気づいた時にはできる限り早く届出るようにしましょう。
■影響①:保険料を遡及されて請求を受ける
社会保険料の消滅時効は2年となっています。
ですので、最大で2年分の保険料をさかのぼって請求される場合があります。
■影響②:従業員からクレームがくる
前述の社会保険料の遡及は、従業員分も同様となりますし、遡及が長くなるほど支払うことが困難になります。
また、雇用保険の資格喪失手続きが遅れた場合、ハローワークが離職票の発行ができず、退職者本人が「失業手当(基本手当)」が貰えない状況になってしまいます。
従業員が困るだけでなく、「ずさんな会社である」と不信感を持たれる原因にもなります。
■影響③:罰則を適用されることがある
健康保険法や雇用保険法では手続きを行わなかった場合の罰則が設けられています。
その他、状況により「遅延理由書」の提出を求められる、労働者名簿の備え付けができていない等、法定上の不備の指摘を受けてしまうなど、マンパワー不足の時に莫大な工数をかけなくてはいけなくなります。
そのような事が起こらないように、入社、退職等の動きをおさえつつ、日常業務の中で確実に処理をしていきましょう。
社会保険労務士は、ハローワークへの求人票提出代行が法的に認められています。
また、人事労務の専門家として人事制度を構築するだけでなく、賃金設計など実務面まで幅広くカバーすることができます。
人事労務関係でお悩みの経営者様、人事ご担当者様は、どうぞ社会保険労務士へご相談ください